テレワーク(在宅勤務)やリモートワークが定着した今、自宅のネット環境を見直す方が増えている。光回線が引けない物件に住んでいたり、出張先やカフェでも仕事をしたいという場合に、格安SIMのテザリングやモバイルルーターを活用する方法が注目されている。ただし、テレワークでは「安さ」よりも「回線の安定性」が最重要。ここではテレワークに適した格安SIMプランを厳選して紹介する。

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テレワークに必要な通信環境の目安
まず、テレワークで求められる通信スペックを確認しておこう。作業内容によって必要な速度は異なるが、一般的な目安は以下のとおりだ。
| 作業内容 | 推奨下り速度 | 推奨上り速度 |
|---|---|---|
| メール・チャット | 1Mbps以上 | 1Mbps以上 |
| Webブラウジング・書類作成 | 5Mbps以上 | 1Mbps以上 |
| Web会議(音声のみ) | 3Mbps以上 | 3Mbps以上 |
| Web会議(映像あり) | 10Mbps以上 | 5Mbps以上 |
| 大容量ファイルのやり取り | 20Mbps以上 | 10Mbps以上 |
テレワークで特に重要なのが上り速度(アップロード速度)。Web会議では自分のカメラ映像や音声をリアルタイムで送信するため、下り速度だけでなく上り速度の安定性も求められる。
多くの格安SIMでは下り速度は十分だが、上り速度はMVNOだと5Mbps以下に落ちることがある。Web会議を頻繁に行う方は、上り速度が安定しやすいMNO系のサービスを選ぶのが安心だ。
テレワーク向け格安SIM比較一覧
テレワークに適した安定性と容量を持つ格安SIMをまとめた。
| 格安SIM | 回線品質 | 容量 / 月額 | テレワーク適性 |
|---|---|---|---|
| ahamo | ドコモ品質(MNO) | 30GB / 2,970円 | 高い |
| UQモバイル | au品質(MNO) | 30GBまで / 3,278円~ | 高い |
| ワイモバイル | ソフトバンク品質(MNO) | 5GB~35GB / 3,278円~ | 高い |
| 楽天モバイル | 自社回線(MNO) | 無制限 / 3,278円 | やや高い |
| LINEMO | ソフトバンク品質(MNO) | 30GBまで / 2,970円 | 高い |
テレワーク用途では、MVNOよりもMNO系のサービスを選ぶのが安心。理由は単純で、混雑時間帯(特に昼12時~13時)の速度低下が少なく、Web会議中に突然遅くなるリスクを避けられるからだ。
ahamo|テレワークの本命はドコモ品質
テレワーク用の格安SIMとして最もバランスが良いのがahamoだ。月額2,970円で30GBが使え、5分以内の国内通話かけ放題が標準で付いてくる。
ドコモ回線を直接利用するため、通信速度は安定しており、Web会議中に映像がカクカクしたり音声が途切れたりするリスクが低い。テザリングでPCを接続してもストレスなく仕事ができる。
30GBあれば1日あたり約1GBの計算。メール・チャット・Web閲覧が中心で、Web会議が1日1~2時間程度なら十分に足りる。大盛りオプション(+80GB、月額1,980円追加)を使えば110GBまで拡張できるため、万が一足りなくなっても安心だ。

UQモバイル|au品質+割引制度で節約
UQモバイルはau回線を利用するMNOサブブランド。回線品質が高く、テレワークに必要な上り速度も安定している。
記事執筆時点の「トクトクプラン2」は30GBまでの段階制で、5GB以下なら自動で1,100円割引される仕組み。テレワークの日はたくさん使い、休日は少なめ——という使い方なら、データを使った分だけの支払いで無駄が出にくい。
さらに「自宅セット割」を適用すれば毎月1,100円の割引が受けられる(対象のインターネットサービスやauでんきとの併用が条件)。対象サービスを利用中の方は、実質的な月額がかなり安くなる。
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ワイモバイル|家族で使えばさらにお得
ワイモバイルはソフトバンクのサブブランドで、通信品質はソフトバンクと同等。全国に実店舗があるため、契約やトラブル対応を対面でサポートしてもらえるのが強みだ。
記事執筆時点のシンプル3プランでは5GB~35GBの3段階から選べる。家族割引サービスを使えば2回線目以降は毎月1,100円割引になるため、家族で格安SIMに乗り換えるなら大きな節約効果がある。
テレワーク用にワイモバイルを検討する場合は、自宅のソフトバンクエリアでの電波状況を事前に確認しておこう。公式サイトのエリアマップで住所を入力すれば、電波の強さを確認できる。
楽天モバイル|容量無制限でWeb会議も安心
楽天モバイルの最大の魅力は月額3,278円でデータ無制限という点。テレワークでWeb会議が多い方は、1日のデータ消費量が読みにくいことがあるが、無制限なら容量を気にする必要がない。
Web会議1時間あたりのデータ消費量は映像ありで約500MB~1GB程度。1日3時間のWeb会議を20営業日行うと、それだけで30~60GBを消費する計算になる。無制限プランなら、こうした大量消費にも対応可能だ。
ただし、楽天モバイルは建物の奥や地下では電波が不安定になることがある。自宅でのテレワーク利用が中心の場合は、自宅での電波状況を事前に確認しておこう。
LINEMO|20GBまでならソフトバンク品質が安い
LINEMOのベストプランVは30GBまで月額2,970円で、5分以内の国内通話かけ放題が含まれている。ソフトバンク回線を直接利用するMNOブランドのため、通信の安定性は申し分ない。
LINEアプリの通信がカウントフリーになる「LINEギガフリー」も標準搭載。LINEでの音声通話やビデオ通話をよく使う方なら、20GBの容量を節約しながら仕事のやり取りができる。
ただし、30GBでもテレワーク用途としてはやや心もとない場合がある。Web会議の頻度が高い方は、ahamo(30GB)や楽天モバイル(無制限)のほうが安心だろう。

テレワーク用に格安SIMを選ぶときの注意点
MVNOはWeb会議に向かないケースがある
MVNOは昼12時~13時に速度が大幅に低下しやすい。この時間帯にWeb会議が入ることも多いため、テレワーク用途ではMNO系のサービスを選ぶのが無難だ。
仕事の信頼性に関わるため、テレワーク用の回線選びでは「安さ」よりも「安定性」を優先しよう。Web会議中に回線が不安定になると、業務の効率低下だけでなく、相手への印象も悪くなる可能性がある。
テザリングの同時接続台数に注意
格安SIMでテザリングしてPCを接続する場合、スマホのテザリングは同時接続できる台数に制限がある(一般的に5~10台程度)。PC、タブレット、スマートスピーカーなど複数機器を同時に接続する場合は、接続台数の上限を確認しておこう。
VPN接続に対応しているか確認
企業によってはテレワーク時にVPN(仮想プライベートネットワーク)接続が求められる場合がある。格安SIMでもVPN接続自体は基本的に可能だが、VPN経由だとやや速度が落ちることがある。VPNを使う場合は、元の通信速度に余裕があるMNO系を選んでおくと安心だ。
テレワーク向けの容量はどれくらい必要?
テレワーク中のデータ消費量は作業内容によって大きく変わる。以下は1日あたりの目安だ。
- メール・チャット中心:1日あたり約200MB → 月約4GB
- Web会議1時間+通常業務:1日あたり約1GB → 月約20GB
- Web会議3時間+ファイルやり取り多め:1日あたり約3GB → 月約60GB
Web会議が多い環境では月30GB以上のプランか無制限プランがおすすめ。メールとチャットが中心なら20GB程度でも十分だろう。
よくある質問(Q&A)
Q. テレワークに格安SIMだけで対応できる?
Web会議が1日1~2時間程度で、大容量ファイルのやり取りが少ない環境なら、格安SIMのテザリングだけでも対応可能。ただし、安定性を考えると光回線があるに越したことはない。格安SIMは「光回線が引けない」「外出先でも仕事したい」場合の有力な選択肢として捉えるのが良いだろう。
Q. 格安SIMとモバイルルーター、どちらがいい?
スマホのテザリングで十分な場合は、格安SIMだけでOK。ただし、テザリングはスマホのバッテリーを消費しやすいため、長時間の利用ならモバイルルーター(ポケットWi-Fi)を別途用意するのも手。楽天モバイルのSIMをモバイルルーターに入れて無制限で使う方法もある。
Q. 出張先でもテレワークに使える?
MNO系の格安SIM(ahamo・UQモバイル・ワイモバイル・楽天モバイル)なら、大手キャリアのエリアをカバーしているため全国で利用可能。出張が多い方はエリアの広さを重視してドコモ回線のahamoやau回線のUQモバイルを選ぶと安心だ。
まとめ|テレワークに使える格安SIMの選び方
テレワーク用途で格安SIMを選ぶなら、回線の安定性を最優先にし、次に容量、最後に料金で絞り込むのが鉄則。おすすめを整理する。
- バランスで選ぶ:ahamo(ドコモ品質30GB、月額2,970円、5分かけ放題付き)
- 無制限で安心:楽天モバイル(月額3,278円、データ無制限)
- 割引で安く:UQモバイル(au品質、自宅セット割で月額割引)
- 家族まとめて:ワイモバイル(ソフトバンク品質、家族割引で2回線目1,100円引き)
- LINE多用:LINEMO ベストプランV(30GB、月額2,970円、LINEギガフリー)
料金やプラン内容は随時変更の可能性があるため、契約前には各社の公式サイトで最新情報を確認してほしい。テレワークの通信環境については、「総務省 情報通信白書」でも調査データが公開されている。また、各社の実測速度は「みんなのネット回線速度」が参考になるだろう。
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